【HNML】ハロウィンイラスト:グリザイユメイキング/久しぶりのイラスト制作振り返り

2022年02月05日 12:00
2022年02月04日

🎃HAPPY HALLOWEEN🎃

ハローニューマイライフの主要キャラでハロウィンイラストを制作しました…昨年の秋に。

だいぶ間が空いてすみません。

イラスト制作振り返りとグリザイユメイキング記事になります。

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※記事書いたのが2021年11月なのでまるで最近のことのように書いてありますがもうだいぶ古いです。
悪しからず。

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目指せ脱スランプ!イラスト制作への道

長年イラストスランプに悩んでた

ここ数年イラストらしいイラストといえば趣味のポケモンイラストを描いていたくらい、しかも去年に至ってはルカリオのイラスト1枚とぽっぷこんずの依頼イラストしか描いていないという有様…というくらい、しばらくイラスト制作がご無沙汰でした。

というのも、実は漫画を描くのは好きなものの元々イラストは得意ではなく何描いたらいいかわからない』状態だったんです。

ぽっぷこんずは可愛らしいデフォルメキャラクターがメインなイラストなので描けるものの、漫画の絵柄でイラストを描くのができませんでした
どれくらいできないかというとここしばらくは『落描き』というレベルのラフイラストを描くことすらできませんでした。
真っ白いキャンバスに向かっても何も描けなかったんです(と言うと驚かれるのですが本当に、漫画の下描き以外のラフはほぼ描けなかった)。

何がそんな描けないかというと…
基本的にたった一枚の絵にストーリー感や世界観を持たせることが非常に苦手なんですね。
自分の漫画作品のイラストを描きたいとずっと思ってはいたものの、せいぜいアイコンイラストくらいしか描けませんでした。

まず背景が描けない
正直今から背景を描けるよう努力しようという気概はない…。

そしてキメ顔が苦手
『なんでこの人こんなカメラ目線なの』って自分ツッコミしてしまってなんか恥ずかしくて描けない。
漫画だったらその表情に至る流れとかあると思うのと、そんなキメ顔らしいキメ顔描かないので自然に顔が描けるものの、一枚絵だとキメ顔になりがち…だけどキメ顔に笑ってしまう……
イラストでさりげない表情みたいなのが描けない(世界観が出せない)。

あと色塗りの技術やセンスが皆無
ぽっぷこんずはシンプルにバケツ塗りで影も一色でつけてしまうことが多いのであまり悩むことなく描けるのですが(むしろ色塗りは楽しい)、漫画絵のデフォルメに合う色の塗り方ってのを今まで模索してこなかったので『どう塗ったらいいかわからない』んですよね。

・・・他にも理由はあるものの、これらが大きな理由でした。

ですが一回思い切り振り切ったイラストを無理にでも描いてみたらスランプ脱することができるんじゃね?と思い立ち、今回のイラストに臨みました。

カッコつけたキメ顔も描いてみたら意外と楽しいかもしれない。
イラストに時間かけまくったら新たな発見があるかもしれない。

かかった時間、不明。もはやプライスレス。

めちゃくちゃ時間を描けて完成させたハロウィンイラスト、自分の備忘録も兼ねてメイキングを公開したいと思います。

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キャラクター

キャラクターの衣装を考えます。

最終的に以下になりました。

  • 高良:アメリカンポリス×マミーマン
  • 日咲:花嫁
  • 加藤:狼男
  • 小堀:カボチャ×囚人
  • すう:天使
  • 沙耶香:悪魔
  • 井川:ジェイソン
  • 戸浦:ヴァンパイア
  • 姫愛蘭:ナース
  • 久我原:魔女

です。

久我原は今のところメインキャラというわけではないので描かないつもりでいたのですが、2021年10月現在本編が5話の久我原回で止まっていることもあり急遽投入しました。
魔女コスプレ。
スタイルがボーーーン!としているのでセクシーな感じの衣装にしてみました。
釘バットならぬ釘ホウキに乗ってます。

アメポリははじめ戸浦にする予定だったのですが、主人公(正義?)っぽさが出せるかなーと高良に採用。
日咲に大怪我負わされた過去があるので包帯が似合いそうだなとマミーマンも採用。

小堀はノリノリではあるもののキメ顔とかするの恥ずかしがっちゃいそうなタイプだろうなと思いカボチャを被りました。
中の顔はよく見るとちゃっかりキメ顔かましてます。
正直『お前誰だよ』になってしまいました。ただでさえ特徴ないのにごめんね。

加藤は一番最初に決まりました。狼男。
髪も赤いしなんかビジュアル的に似合いそうだなという理由です。

井川は身長大きい子なので大男がやったら合いそうなジェイソン。
フランケンと悩んだのですが朗らかな笑みとのギャップが描けそうな気がしたので返り血浴びせまくりのちょっとサイコ味のあるジェイソンにしてみました。
当の本人は血が苦手という設定があるので(別に本編にはあまり関係ないです)半ばやけくそでやってるイメージで。

すうは天使、周りから『吉川は天使が似合いそう!』ともてはやされてそうなったイメージ。
沙耶香は『すうちゃんお揃いでやろ〜!』と言うも周りから『遠藤が天使…?』と怪訝な顔をされ、それじゃあと対になる悪魔に。
遠藤は意外とスタイルいい子です。

姫愛蘭はノリノリナース。
はじめ日咲と姫愛蘭で天使/悪魔も悩んだのですがどっちがどっちやってもいいけど姫愛蘭はコミカルになりすぎる気がしてナースにしてみました。
結局コミカルさは隠せませんでしたがまあまあ気に入ってます。
本編ではこんな顔しないだろうなあ。

日咲と戸浦は花嫁&ヴァンパイア。
日咲は学校ではアイドルポジションなのでアイドルしかやらせてもらえなさそうなコスプレを考えたのち、花嫁になりました。
戸浦はイケメンポジションなのでイケメンがやりそうなもの…ヴァンパイアかな、と思いこうなりました。
手前のキャラで隠れてますが戸浦が後ろから日咲の顎に手を添えてる感じですね。
描いててめちゃくちゃ恥ずかしかったです。

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メイキング動画

こちらTwitterにも上げましたメイキング動画です。
1分にまとまってます。

ぶっちゃけ何が起きてるのかよくわからないので、次項にてレイヤーごとの解説をしていきたいと思います。

メイキング解説(グリザイユ技法)

今回のイラストはグリザイユ技法というものを用いて描きました。
まずグレーのみで陰影をつけたイラストに、オーバーレイレイヤーで色を乗せていく…みたいな描き方です。

どのレイヤーになんの効果があるというのは正直よくわかってないので()感覚的に描く方法をまとめていきたいと思います。

何かの参考になれば幸いです。

なお、工程(レイヤーごと)の解説になるため実際の順序とは若干異なりますことをあらかじめご了承ください。
どんな順序で描いていたかはメイキング動画をご覧ください。

また、キャラクターごとにフォルダ分けをしています
全キャラクター別レイヤーで描くことをおすすめします。

ラフ①

ラフ1回目です。
今回はキャラクターが多いのでキャラの髪色で色分けし、10人分のラフ・・・配置やポーズがある程度わかるよう自分に分かればいいかな程度のクオリティでサササーっと描いていきます。

ラフ②

ラフ2回目です。

1回目の時より丁寧に、表情やキャラの骨格がわかるくらい描きます

加藤の向き、姫愛蘭やすうのポーズに修正が入りました。
井川の表情も結構違いますね(見上げてる表情から見下ろす表情へ変更)。
久我原もちょっと小さめになりました。

次工程で下描きに入るので線は雑で良いものの、大体構図はかっちりきめた状態にします。

③下描き

ここでやっと下描きに入ります。

一本線ではないものの、結構綺麗めな線で各キャラクター別レイヤーで描きます
これは各キャラクターの背景を白で塗りつぶしています。
なんでわざわざレイヤー分けたり白背景で塗りつぶすのかというと、この段階でキャラクターの配置や見栄えを確認するためです。

レイヤーが分けてあるので「やっぱこのキャラもうちょっと右にしようかなー」とかできるわけですね。

④線画

キャラクターの線画を描きます。
もちろん各キャラクター別レイヤーで描きます。

日咲のブーケやすうの羽は細かく描かず、外枠のみ描いていました(加筆工程で消してしまったのでなくなっています)。

なるべく綺麗に描いておいた方が後々困らないですが、厚塗りなのでどうにでもなると思います。
が、やっぱり丁寧に描いておくに越したことはないでしょう。

⑤グレーで塗りつぶし(下塗り)

明度40くらいのグレーで塗りつぶします

このグレーをベースに、次工程から陰影をつける作業に入ります。

⑥陰影をつける

明度40〜30くらいのグレーで陰影をつけていきます。
前工程と同じレイヤーでやってもいいですし、別レイヤーでも良いです。わたしはなんとなく別レイヤーで描いてます。
別レイヤーで描く場合は下のグレー単色のレイヤーにクリッピングしておきましょう

ちょっと陰影のメリハリがないなという場合は明度を落としても大丈夫です。

また、この段階でハイライトは描きません
この時点でハイライトを描いている方もいるのですが、次工程で色を乗せていくのですがオーバーレイレイヤーの性質上真っ黒部分・真っ白部分には色が乗らないのです。
そのため、このくらいの濃さのグレーで陰影をつけることをおすすめします。

わたしはEasyposeなどの3Dモデルアプリを使用して影のつき方を確認しながら塗っていきました

こだわりすぎると本当に延々と続いてしまう作業なのである程度の妥協が大事かもしれません。
最終的には加筆していくのであとでどうにでもなります。

⑦色塗り(ベースカラー)

陰影作業が終わったら、陰影レイヤーにクリッピングする形でオーバーレイレイヤーを作成し、色を置いていきます。

この時点では絵の完成形を想定した色味でなくて大丈夫です。
この絵の完成形は全体的に紫っぽいので紫がかった色をおくべきかと思いがちですが、原色を置きましょう。

この時点では色がくすんで見えますよね。
わたしはいつもこの段階で『完成する未来が見えない…』となります。
が、次とその次の工程で絵が一気に引き締まりますよ!

⑧影の色味をつける

前工程⑥と⑦の間に新たにオーバーレイレイヤーを作成し、これくらいの色■でベタ塗りをします。
透明度は好みもありますが20%前後が良いかと。
その際⑥にクリッピングすることを忘れないよう。

するとこのように、全体的に少し紫味がかったような絵になります。
全体的に絵もキュッと締まりました。

今回のイラストは全体が紫がかっているので単色で塗りつぶしていますが、そうでない場合はたとえば肌部分には赤っぽい色を使うなどすれば血色の良い肌になったりします。
お好みで調整してみてください。

⑨さらに影をキュッと締める

今回はさらに色を紫っぽくしたかったので、今度は⑦のベースカラーのレイヤーの上にオーバーレイレイヤーを作成、クリッピングします。

今回は単色ではなくグラデーションにしました。

各キャラクター光源が異なるので、光の当たっていない影になる部分を始点とし光の当たる方に向かって色が透明になっていくようにグラデーションを作成。
要は暗い方に紫の色味がより強く現れるようにしました
色はキャラクターごとに変えましたが、青紫や赤紫を使用しました。
⑧より少し濃いめの色を使用しています。

グリザイユの下段階はここまで。
次工程からはゴリゴリの力技、通常レイヤーでの加筆になります。

⑩加筆:その1(線画の下で加筆)

⑧の工程までだと全体的に色がくすんでいて、絵の完成が見えない状態でしたが、⑨の工程でだいぶイラスト全体の色がわかってきたかと思います

なので、ここからは力技です。

⑨のレイヤーの上(線画レイヤーの下)に通常レイヤーを作成し、ごりっごり厚塗りをしていきます
線画を活かしながら、主には陰影の粗を滑らかに整えていく作業になります。
スポイトで色をとりながらくっきりしすぎた影を馴染ませていきます。

また、ここではじめてハイライトを描いていきます

ハイライトを描いてやっと絵の立体感が出てきました。
この作業が一番楽しい!絵が生きてる感じになる!!

光は明るめの黄色を基調としたかったのでクリーム色を採用しました。
が、下に使用している色によってはそのままクリーム色を乗せても濁ってしまう…。
なので、場合によっては通常レイヤーの上にソフトライトのレイヤー等を使い別でハイライトを描いていきます。
そして、次工程でさらに馴染ませていく…という作業を行なっていきます。

⑪加筆:その2(線画の上で加筆)

線画レイヤーの上に通常レイヤーを作成し、クリッピングはせずに加筆していきます。

ふわふわした毛だったり、細かいハイライトだったり、線画をあえて消したりといった工程に入ります。
ほぼ仕上げ作業です。

細かな作業なので慎重にかつ丁寧に行います。
線画の上から描いているので線画を色で整えていくことも可能です。

⑫色トレス(線画の色を馴染ませる)

線画の色が現状黒一色なので、絵に馴染ませていきます

線画レイヤーの上に通常レイヤーを作成しクリッピング。
キャラクターの色よりちょっと濃いめの色や濃い紫をぐりぐり塗っていきます。
すると線画だけに色がつく感じです。
キャラクターの色と近い色を使うことによって絵が自然で立体的なものになります。
黒一色が必ずしも悪いということはないですが、これをやるだけでも結構絵の印象が変わるのでやってみてください。

⑬加筆③:キャラクター仕上げ

色々なレイヤーを駆使し、とにかく仕上げ作業。
返り血を描いたりハイライトを強くしてみたり、キャラクターを引で見たときにメリハリがちゃんとあるように見せる作業をします。

力技なのでコツとかはないですが、とにかくひたすら納得いくまで描き込みましょう。

⑭背景:グラデーション

背景作業に入ります。

とにかく手を抜きたかったのでとりあえずハロウィンカラーでグラデーションを貼り付けました。
黒→紫→赤→橙になるようなグラデーションです。

⑮背景:エフェクト

背景エフェクトを追加しました。

左上、久我原の後ろは星空。
右上、すう&沙耶香の後ろは雲+天使の梯子。
左下、姫愛蘭の後ろは雲+稲妻。
右下、井川の後ろは山とコウモリ。

普通のグラデーションだと流石に物足りない感があったので、キャラクターごとに若干異なる背景を加筆しました。
同じ空繋がりなので不自然にならないよう加筆。

加筆には配布素材のブラシが活躍しました。

⑯奥行きや空気感を出す(最終仕上げ)

最終工程です。
実際は各キャラクターごとにやっているのですが、最後に背景とのバランスも見て調整しなければならないので最後の工程として紹介します。

各キャラクターレイヤーの上にクリッピングする形でグラデーションを2つずつ作成します。
色合いとしては、影側に濃い紫系■(イラスト全体のカラーとなる色)のグラデーション。
ハイライト側に黄土色■っぽいグラデーションを置きます。

通常レイヤーで見るとただのくすんだ色なのですが、これを『スクリーン』にするとあら不思議
空気感が生まれるではありませんか

遠くの山を眺めた時、わずかに青みがかって見えたり色が霞んでるように見えたりしますよね、あれです。
キャラクターにスクリーンレイヤーをクリッピングしてあげることで、キャラクターに奥行き、絵に空気感が生まれます。

イラスト全体を見ながらいい感じに調整していきましょう。

⑰完成

最後に手前に来ているキャラクターの後ろに発光レイヤーを置いたりロゴを配置したりして(好みです)全体のバランスを整えたら完成。

お付き合いいただきありがとうございました。

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まとめ

現在2022年2月4日…

この記事何でこんなに放置してたんだろう、何か後で書こうとしたことがあったのかな?と思ったらもう全部まとめ切ってありました。
本当なんで投稿してなかったんだろう()

このイラスト描いてから…11月に投稿したハロニューの6話から表紙イラストが描けるようになりました。
最新9話まで全部表紙描いてます。奇跡。
そして落描きも気軽に気楽に描けるようになりました。
やっぱり一度自分の苦手分野にあえて挑戦してみるとかって大事なのかもしれないですね。

わたしが苦手だなーなんか描きたくないなーと思っていたのはやっぱりキメ顔を描くこと…
カッコつけを描くことへの抵抗感だったんですね。
それがだいぶ軽減されたように思います。
今でも描くのは恥ずかしいけど、なんやかんやで楽しく描けるようになったかな、みたいな。

このイラストは公開当時ネップリ登録もしていたのですが何件か印刷したよ報告をいただいて嬉しかったです!

このイラストは1ヶ月近くかけて描いていたので、もうイラスト1枚にこんな時間かけたくないなwwwとおもいました。
今年のハロウィンは余力があればこのハロウィンイラストの裏舞台漫画みたいなのが描けたらいいなぁ…(願望)

グリザイユは時間があればあるだけ時間かけて描けちゃうので楽しいは楽しいものの本当に時間が吸われますw
意外と簡単なので、何かの参考になれば幸いです。

Twitter(@d__mrkm)でイラスト投稿もしておりますので是非フォローしてやってください。

これからもハローニューマイライフをよろしくお願いいたします。

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むらかみ / 村上乃司

英国で妊娠出産を経験し、それを元にした体験レポを書いてます。現在は日本在住。
元漫画家志望で受賞歴・掲載歴あり。今は趣味と時々お仕事でイラストや漫画を描かせていただいています。
最近は漫画背景に使用する3D制作のお仕事も。

イラスト・漫画制作・3D制作のお仕事を募集中です。

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